後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第6章 後輩くんの挑戦状
「このことは、お互いに忘れてしまいましょ」
私は彼と同じ職場。事務所の先輩。
…それを崩すべきじゃない。
「君とのセックスは…すごく良かったわ。でもこれきりにしないと。月曜からはまた頼れる後輩として今までどおり接するから」
「これきり…にするには、惜しい夜だったと思いませんか?」
「……そうかもね」
私と彼の身体の相性はすごくいいみたい。
葉川くんもそれに気付いている。芯から溶け合ってしまいそうなあの感覚を…今となっては否定できない…。
けどね
「昨日も言ったでしょ。付き合ってもいない男と寝るのは嫌なの、私は。そのくらいの節度は保っていたいのよ……私は」
「…クス、まるで僕は違うみたいな言い方ですね」
「間違いだった?」
「そうですね正しいですよ。僕はセックスが好きですし」
「…胸を張って言われても困るわ」
「変でしょうか」
「変よ。普通は、…特別な相手としか、しないのよ」
特別な相手? それはどんな相手なのかと聞かれたら上手く答えられない。
そこを追及しないでほしいと密かに思いながら、食い下がる彼をあしらった。