後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第6章 後輩くんの挑戦状
「ただ僕としても、やられっぱなしは性に合わないようで」
私の上に重なる彼が……少しずつ顔を寄せてくる。
またキスされるの?
私は下唇を噛みしめて、顔を背けて抵抗した。
「嫌ですか?」
横を向いたことで彼の声が直接耳に当たる。
「…これは先輩のミスですよ。僕みたいな男に身体を許したりしたから…」
「……っ」
「これきりで終わると…──やることさえしてしまえば、僕が飽きるとでも思いましたか?あなたをフッた過去の男達のようにいなくなると?」
「…!」
“ なんだ……ぜんぶ、よまれていたのね ”
どこか投げやりな理由で身体を許した私の考えは、彼にお見通しだったみたい。
筒抜け状態で、弄ばれたってわけか……と
腹を立ててもどうしようもない。
「そんなのどうでもいいから…っ…早く、離しなさい…!」
「……そう簡単に離しませんから」
「──?」
...チュ
“ ……ぇ? ”
迫っていた唇が
横を向く私のこめかみに落ちた。