
武橋さんのセフレを希望します。
第1章 ◇section1
そんな雑な飲み方をしているうえに、元々お酒も強くないので、当然悪酔いをした。
「菜津、本当に平気? 私このあと、彼氏の家よる約束してるから、家まで送れないんだけど」
「平気…。とりあえずコンビニで水でも買って休むから」
「ダメそうだったら連絡してね!」
友人の背中を見送って、帰り道を進む。
居酒屋から徒歩10分の駅に行くのだけれど、行ける自信がない。
とりあえず、徒歩3分のコンビニに…。
「うぅ……。気持ち悪い。ぐらぐらする」
思わずその場にしゃがみこんでしまう。
足元がおぼつかなくて、上手く歩けない。
立っているだけで、頭がグラグラして自分の体を保てない。
自分が情けない。
彼氏にも振られて、慣れないお酒に飲まれて、こうやって歩くこともままならなくて。
いけない、いけない。涙が出そうになる。
とりあえず立たなくちゃ。
「大丈夫か?」
