
武橋さんのセフレを希望します。
第1章 ◇section1
顔だけあげると、そこには知らない人。
年齢は30いくつか。
きっと、スーツだから社会人。
でも、そんなことはどうでもよくって。
「え、えっと…」
「そこ、どいたほうがいい。1回立って」
腕をつかまれて、なんとか立ち上がる。
少しよろけて、その人によりかかる体勢になってしまった。
「すみません。ちょっと、足がふらついて…」
「そうだろうな。にしても、こんなとこにしゃがみこむな。ここ、風俗だぞ?」
「?!」
驚きで言葉がでず、首をぐりんとそっちを見る。
怪しい蛍光色の看板に、60分18000円だとか、生々しい金額表示がしてある。
お酒の熱さじゃなく、顔がかーっと赤くなった。
「すみません。その、ごめんなさい」
初対面の人になんて醜態を。
お酒飲みすぎてベロベロだし、絶対酒臭いし、風俗の前にしゃがみこんでるし。
も~、なんでこんなにバカなの。
情けなさで、次は悲しくなってくる。
「次は気をつけろよ」
「はい…すみません。ありがとうございます、わざわざ」
「あ、いや…。そこの風俗入ろうかと思っていただけだから」
「え…」
風俗入るってことは、そういうことするってことだよね?
お金を払って女の子に、いかがわしいことをさせたり、したり、色々したり。
「男って!みんなそうなんですね!」
