
武橋さんのセフレを希望します。
第1章 ◇section1
「は…?」
不機嫌な顔をこちらへ向ける。
この時、私がもう少し頭が回っていれば、お酒を飲みすぎていなければ、友達と一緒に帰っていれば…
あんなことにはならなかったはずだ。
私はきっとその人を逆に睨みつけてやる。
「そんなにえっちなことって重要ですか?手を繋いでたり、ぎゅーしてるのでいいじゃないですか!というか、えっちが痛いのだって私のせいじゃないのに!!!お前が、お前が下手だからだー!!!!」
「………」
言葉を吐き出して、荒い呼吸を繰り返す。
言葉にするとだんだん悲しくなってきた。
怒りと悲しさが涙になって出てくる。
「…来い」
「え、ちょっと!!」
目の前のリーマンは、私の手を引くとぐいぐいと歩き出す。
力が強く、足も早いので、私は反対方向に力をかけることもできず、リーマンに手を引かれるままだ。
だんだん意識も遠のいてきた…。
お酒ってダメだな。
判断力はなくなるし、思考力もなくなるし、突拍子もないこと言うし、自分にブレーキがかけれないし…。
目の前の出来事を理解できないし?
