
武橋さんのセフレを希望します。
第1章 ◇section1
目の前には大きいベッド。
そして、ベッドに腰掛けるのはさっき出会ったリーマンだ。
「え、えっと…いま、どういう…」
「ほら、水飲めよ」
「え、え?あ、ありがとうございます」
渡されたペットボトルをあけて、水を飲む。
体内のアルコール濃度が少しづつ緩和されていくような気がする。
「ほら、それで横になれ」
私はこくんと頷くと、言われるがままベッドに横たわった。
頭がふらふらするけど、横になれているだけでも大分楽だ。
「少し楽になったか?」
「あ、はい…。あの、私なんでこんな状況に…」
目の前のリーマンに、言いたい放題言ってからあまり記憶がない。
正直にいうと、飲んでいる記憶から曖昧なのだが、この部屋に来た経緯はサッパリだ。
「お前が、オレに大声で怒鳴ったのは覚えてるか?」
「…その節はすみません」
「その調子なら、覚えてるみたいだな。お前が大声で騒ぐから、周りには変な目で見られるしな。お前も酔っ払って放置も出来んから、ホテルに連れてきた」
「そうなんですか…すみません、記憶があまりなくて…」
「その調子じゃ、だいぶ飲んだみたいだからなら。飲みすぎると記憶が飛ぶぞ」
「はい。気をつけます…すみません、お世話になって」
体を起こして、また水を飲む。
このペットボトルも、この人が買ってきてくれたんだろうな。
