
武橋さんのセフレを希望します。
第1章 ◇section1
「あの、えっと……これはどういう」
視線のやり場が困って、目は泳ぐは、しどろもどろな話し方だ。
「お前、オレが風俗入ろうとしてたの覚えてるか?」
「え……。あ、そういえば」
「お前を介抱したおかげで行けてねえんだよ。だから、お前さんが責任取るのが妥当じゃないか?」
筋が通ってないようで通ってるような話で、無闇に抗議の声もあげられない。
えっと、これから目の前の人とするってこと?
こんな、名前も知らない人と?
そりゃ、風俗行くところお世話になったのは私だけど、でも、でも…
「気持ちいいセックス、してやろうか?」
「…っ!」
「お前、さっき彼氏にえっちが痛いことが原因で別れたとか言ってたろ? オレとしても一発やりてえとこだし、丁度いい。今回の恩があるだろ? 付き合え」
気づいた時には、私は首を縦に振ってしまっていた。
名前も知らない男の人とするなんて頭おかしいかもしれない。
きっと、お酒の力で判断が弱まってしまっていたんだろう。
でも私は、気持ちいいセックスという言葉に惹かれてしまったんだと思う。
