Deep Night《R18版》
第6章 No.623
ニーナの面倒を見ながらいつも通り、仕事をこなすムツミ。
「ミヨコ、今日はあたし予約入ってるからニーナのこと頼むよ」
痛みに顔を歪めながら眠るニーナの頭を、そっと撫でながらミヨコに声を掛ける。
口の利けないミヨコは、頷いてムツミを見送る。
今日は色男が来る日。
いつになく気合いを入れて部屋に向かうムツミ。
前日、仕事上がりで念入りにシャワーを浴びた。出来れば一番客として、出迎えたかったムツミはフリーの客を断り、色男を待つ。
「623番、お待ちかねの色男だ」
「はいよ」
個室を占領して待っていたムツミに、嫌味混じりで悪態を付く従業員。客も取らずに個室を一室無駄にしたから、嫌味を言われても仕方ない。
情事の跡がない部屋に色男が現れる。
「ずいぶんと部屋が綺麗だけど、もしかして一番乗り?」
「陣取ってやっただけだよ」
「あぁ、そういう事ね」
カーテンを閉め、体液で汚れていない乾いたシーツの上に腰を下ろす色男。