Deep Night《R18版》
第6章 No.623
撫でた刺青に目を向ける色男は、白い肌に描かれた鬼と龍に笑って、線をなぞるように指を滑らせた。
「女のクセに厳ついモン入れてんね」
「タトゥーよりカッコいいでしょ?」
なぞられた指に微かに反応しながらも、線を辿る色男の指先を目で追う。
ゆっくりと内腿へと、脚のラインを上り脚の付け根へ辿り着く。薄い布に包まれた秘部が、水玉の染みを作ったところで色男の指がスッ、と離れていく。
「……期待した?」
「別に?」
待ち構えていた場所に触れることなく、離れていった指先にムツミは、期待していた気持ちを隠しながら脚を組み換えた。
「……他に聞きたいことは?」
話題を変え、自ら尋ねてきたムツミに色男は、薄く笑っていた唇を結び、様子を伺うようにムツミの目をジッと見つめ、口を開く。
「この店で一番人気の子、どうなの?」
「ニーナ?」
「ニーナっていうの?ここは番号だから名前までは知らないけど、その子は予約取れない?」
「今は無理。ペナルティ食らって休養中」