Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
指で挟んだDVDをヒラヒラと見せ付けると、帳の横面に差し向ける。
「このDVDを買うのに3回通わされた。いくら払ったと思う?」
どうでもいい情報まで教えてくる友人にうんざりしながら3本の指を立てた。
「…当り。素人の無修正ってこともあってそれなりに値が張ったみたいだ」
「立派な証拠が高くついたモンだな」
「まぁな。でもこんなのは少し目を瞑る程度のモンだったよ。酷い扱いされてたけど企画物だって言われたら終わりだ」
「それでも証拠に変わりはねぇだろ」
「いや、もう1つの方が欲しい。それは片手じゃ足りないくらいの金額なんだよ」
「いくらだ?」
「100万」
「アホか。諦めてそれで引っ張り込め」
「217番だって言ってもか?」
ニヤリと嫌な笑みを浮かべて反応を伺う友人に帳は煙草を窓の外に投げ捨てた。