Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
俯いてボロボロと涙を流す帳に男が近付いてくる。ピカピカの革靴に泣いてる自分の姿が写る。
泣く事しか出来ないのが悔しい。
それでも涙は止まらなかった。
「こんなクソ親父忘れちまえ」
忘れるもんか。
一生恨み続けてやる。
「お前が18まで生きてこれたら俺のとこに来い。面倒見てやる」
「……金だ、金を貸してくれ!」
「未成年に金は貸せねぇ。売られた母親と妹の為だとしてもな」
「頼む、頼むから!一生のお願いだ!」
「仮に貸したところで2人が戻ってくることはない。そういう場所だ」
「でも約束したんだ!1週間以内に100万用意すれば返してくれるって!だから俺に100万貸してくれよ!頼むよ!お願いします!!」
男の足に縋り靴に額を押し付け土下座する自分は哀れに見えただろうか。