Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
――目を覚ますと酷い臭いがした。
頭上のライトがベッドを照らす。
そこに横たわる妹が居た。
名前を呼ぼうと口を開いたのに声が出なかった。
鼻でしか呼吸が出来ない。
唾液が口の中に溜まって言葉じゃない音をもがき出す。
「起きたみたいだな」
ジタバタと身体を動かす帳に気付いた男が手を叩く。
「さぁ、ショータイムだ」
パッと薄い明かりが付いて部屋全体が見えるようになった。
自分は椅子に縛られていて、口にはガムテープが貼られているのだと分かった。
「残念だが妹はこれから“仕事”だ」
肩に手を置いて指差す先にはベッドに寝ている妹の姿。
なにがどうなっているんだ?
この光景に起きることが理解出来ない。
何をするのか、何が起きるのか。
ただ一つ分かるのは妹が傷付くことだってこと。