Deep Night《R18版》
第9章 ムツミ
「623番、仕事だ」
「行って来るわ」
ミヨコにニーナを預け部屋を出ると、従業員が「今日は2人だ」と珍しく複数を相手する仕事と言われた。
案内されたのはVIPルーム。
高まる期待に緊張する。
部屋に入り待ち構えるようにソファーに座って居る2人の男を見て、ムツミの期待が確信に変わった。
「やっぱり」
――仲間だった。
自分の客とニーナの太客は繋がっていた。
「DVDは買えたけど、オークションに参加出来るかどうかは分からないからコイツも連れて来た」
「そうね。DVDさえ手に入ればアンタが話を聞きつけたってことで参加出来るかもしれない」
「あぁ」
「そこで頼みがあるんだけど」
「なに?」
「ニーナちゃんを今ここに呼んで来れないか?」
「ニーナを?」
「あの子を言い聞かせなきゃ失敗しても上手く行かないだろ?」
チラリと隣に居る男を見てニヤ付く。
失敗を計算して連れ出す算段なら喜んで協力してやる。じゃなきゃムツミ達も後がないと理解していた。
ニーナを連れ出すってことに自分達は賭けている。
「分かった。でもその前に、あたしの提案も飲んでくれる?」
「……話してみろ」
聞くだけ聞いて捨ててやるって感じが否めないが、ムツミは自分の計画を話した。