Deep Night《R18版》
第9章 ムツミ
オークション後、ニーナは連れて行かれる。
これは間違いないと、ムツミは自信を持って言えた。
客に送り出すのにあの格好では売り物としての価値が下がる。前に綺麗な女が顧客に売られたときもそうだった。
だからニーナも同じように準備をさせられる。
「あたし達も助けろとは言わない。逃げられるようにしてくれれば勝手にするし」
「詳しい情報ありがとう。検討してみるよ」
「そんな時間があるわけ?」
「さぁ?」
この男は助ける気はないんだろう。
逆にこっちの男は自分の提案に少なからず頷いてはいる。
それは相槌とも言えるけど、ムツミには安心材料にはなった。
「あたし達はニーナが売られた後処分されんだよ。内臓出されてぐちゃぐちゃになって消えるくらいなら、刺し違えてでもここを出て行ってやりたいんだ」
ムツミの意気込みに手を叩き「見上げた根性だね」と笑う。
「前向きに検討して。無理なら今ここで全部バラす。そうすればオークションも中止になるだろうし、少なからずまだ生き延びれるからね」
返事から逃げるように部屋を出るムツミに、2人は仕方なしに「分かった」と口を揃えて言った。