Deep Night《R18版》
第9章 ムツミ
「ちょっと、あの客やっぱニーナじゃなきゃ無理だって!柔らかいモン口に入れたって腹は膨れないんだから、何もしなくてもいいからニーナを連れて来てよ!」
喚くようにムツミが従業員に突っかかると、呆れた顔でドアを見た。
「あの客は本当にニーナがお気に入りだな」
「冗談じゃないわ。全然盛り上がらないし。寝ててもいいからって言うくらいだし、あたしはそれなりに楽しませてもらいたいんだけど?」
「面食いもここまで来ると哀れだな」
「好きに言ってろ」
従業員はムツミが居るなら問題はないか、と納得してこの店の店長に了承を取る。
「倍額ならいいだろう」
「いくらでも払うって。前にもそう言ってたでしょ。っていうかニーナを高値で買ってくれるんじゃないの、あの客は」
「お前がそう言うくらいなら考えてやろう……その代わり指一本触れさせるな。お前が見張ってろ」
「分かったわよ!時間が惜しいから早くして!」
従業員を急かしてニーナを連れ出すと、まだ眠いのか目をウトウトさせながら「えさくださぁい?」と寝惚ける。
「ニーナ、仕事だけど寝てていいから。邪魔だけはしないでよ?」
「阿婆擦れ女が」
悪態付いてニーナを抱える男に、ムツミはこのクソ野朗と後ろから殴ってやりたい気持ちに駆られた。どうにかニーナを部屋に連れてこれたからと、グッと堪えて部屋に入る。