Deep Night《R18版》
第9章 ムツミ
ベッドに寝かせられたニーナは起きることなく再び眠りに付く。
その丸見えな背中に顔を歪める2人の男。
「顧客に買われたら命はないって、これを見て分かったでしょ?」
「あぁ」
そっと背中を撫でるニーナの太客は辛そうだった。
どこまでが本当なのか分からないけど、この男がニーナを想う気持ちにムツミが疑うことはなかった。
「もしかしたら……アンタはオークションに参加出来るかもしれない」
「は?なんでまた急に?」
「さっき店長にそれとなく言ってみたら考えておくって。あの顔じゃ多分、良い方に話が転ぶと思う」
「とことん使える女だな」
「その女のお陰で欲しいモン手に入るんだから、お礼にあたし達も助けなさいよ」
返事すらしない男に隣でケラケラと笑う。
「帳の好きにしていいよ。十分証拠は揃ったからさ」
そう言ってズボンの中に手を突っ込み何を出すかと思えば、携帯だった。
その携帯は何処に入れてんだ?と不思議に思ったが、ニーナの背中を写真に撮るのを見て“証拠”を収めてるんだと分かった。