Deep Night《R18版》
第4章 No.345
…誰も好き好んでこの場所に居るわけじゃない。
その中でもニーナは恵まれていた方だった。
あれだけの問題を起したのにも関わらず生きているのがその証拠。
普通なら殺されても可笑しくない。
確かにニーナは可愛い。
恵まれた容姿に救われてる。
客も付いていて長い年月をここで過ごしてることもあって新人教育係をさせられてる。
バカだから仕方ないなって従業員にも大目に見てもらえる。
今回の事だってネェさんが唆してバカなニーナにやらせたって分かってる。
それでも罰はあった。
誰か分からないくらいボコボコにされて暫く仕事も出来ないくらいやられてるけど生かされてる。
そんなニーナをミヨコは羨ましいと思った。
自分なんて平々凡々な容姿でただ股を開く女でいるだけでしかない。
常連になる客が付いてるわけでもない。
一歩でも間違えれば明日が来ない日々を送ってる。
借金さえ返せれば無事に此処を出られるかもしれない淡い期待を持って仕事をするしか望みが無い。
自由になりたいと願い。
普通の暮らしに戻りたいと夢を描く。
ちっぽけな願いなのに叶いそうに無い願いを抱きながらミヨコは今日もここで生きていく。