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Deep Night《R18版》

第5章 Dog


二つ目の扉は鉄製だった。

真ん中に覗き窓があってそこから中に居る従業員が目だけを動かして客が怪しくないか確認している。

なるほど、と頷く男は用意周到でいるのは違法だと自覚しているわけだと納得した。

「ではこちらのお部屋でお待ちください。すぐに女の子を寄越しますので」

一室の中にベニヤ板で区切られた中にベッドがいくつもありカーテン一枚隔てられている"個室"がいくつもある。

箱ヘルスと同じようなものだろう。

ただ一言これだけは言いたいと言わんばかりに鼻を摘まみながら独り言を漏らす。

「汚すぎる」

潔癖症ではないが誰が使ったか分からないベッドには血痕やら排泄物やら異常なほど匂うシーツなど、とてもじゃないが座れそうにない。

小さなテーブルの上には使うことのない避妊具。

そして先客が使っていたのかグロテスクな異物。

男は吐きそうになった。

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