Deep Night《R18版》
第6章 No.623
散々愚痴り倒したムツミはスッキリした顔でいるのに対して聞いていた女はげっそりした顔をしていた。慣れていたものの歳には抗えぬ疲労に横になる。
「むっちゃんむっちゃん膝枕して!」
そこにニコニコと無邪気な笑みを浮かべてムツミの太股を指差す少女は217番でありニーナ。
聞いた話では今年で18歳だということと小さい頃からここに居るのでムツミの先輩に当たる。
「むっちゃん?」
「はいはい」
世間知らずなバカに育って世の中のこと何も知らないでいるニーナをある意味幸せな子と思っているムツミは哀れみで膝を貸した。
ムツミにとってニーナは先輩だったが年の功からしてはムツミが“先輩”だ。
先輩云々を教えてやったのも無知すぎるニーナに色々教えてやったのはムツミだった。
他人に興味すらなかった他の連中もニーナは別なのか面白おかしく知識を教えてきたがニーナには学習能力がなく根気よく教え込まないと覚えない。