Deep Night《R18版》
第6章 No.623
ミヨコに客が来なければムツミが言った事が現実になる。
「悪いんだけどさ、あたしの代わりにミヨコ付けてくれない?あの客刺青NGみたいでさ」
従業員に掛け合い客を流すムツミは他の客に回る。そうとも知らずにミヨコはフリーの客についていた。
「え、指名?ミヨコが?」
「らしいよ。さっき若い男が入ってった」
「珍しいね。波に乗っかったかな?」
「アンタが流した客のことかい?」
「さぁね?」
ニーナが出れないから同年代であるミヨコが代わりにされたんだろうとムツミは思っていた。
「ミヨコに指名客ね」
「平凡な子が好みな奴もいるさ」
待機室はミヨコの指名が珍しく面白おかしく盛り上がっていたが戻ってきたニーナに絶句した。
目も当てられぬ姿に最初こそは口を閉ざしていた女達だったが毎度の事だと割り切って世話をする。
その内ニーナの罰でさえ話題にする女達にムツミは理解が出来なかった。