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Deep Night《R18版》

第6章 No.623


酷い仕打ちを受けたニーナの事や崖っぷちのミヨコに指名客が入った話題よりもムツミには気になることがあった。

「623番。最近客で妙な探りを入れるヤツに心当たりはないか?」

別室に呼び出されたムツミは従業員室に招かれるとこの店の中で店長のポジションにいる男にそう聞かれた。

「探り?別にないけど?」

「そうか。少しでも怪しい客が居たら報告するように」

警戒してるのはここが違法店だって自覚があるからだ。

「何処の店も警察っぽい人間が居たら絶対に本番はするなとか言われてきたから分かってる」

いくら貧困街とはいえ警察は警察だった。
捕まれば法で裁かれる。

そんなことは店も承知でやってることだった。

ムツミには知ったことじゃないがガサ入れがあるならさっさとやってくれと本音では思っていた。

そうすればこんな店で働かなくて済む。
借金もチャラになるかどうかは定かではないがムツミは一刻も早くこの店を辞めたかった。

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