Deep Night《R18版》
第6章 No.623
ミヨコが口を塞がれてからあの客はパッタリ来なくなった。
たった二回の指名でも連日ミヨコを指名しに来た客は唯一の救いであったはずだった。
「これからは不必要に客からモノを受け取るな」
誰に言ってるのかムツミには分かってはいたがミヨコに投げつけた飴玉を見て腹を立てた。
「それくらいで……」
抑えきれぬほど怒りが込み上げる。
「飴玉一つでギャーギャー騒ぐなっつうの」
「なんだと?」
「別にいいじゃん。飴玉一つもらえることがどんなに嬉しいかアンタには分からないだろうけどあたし等にとって飴でもガムでも口に入れられるモンは命綱なんだよ。まともに食えないのに毎日毎日食えないモン咥えてやってんだ!少しは労えよ!」
掴み掛かる勢いで従業員に向かっていくムツミを他の女が止めに入る。