じゃん・けん・ぽん!!
第12章 探し物はどこですか?
ぺこりと頭をさげる。その頭を、学は眺めた。
さらりとした茶髪の真ん中につむじがあって、それを中心に光の輪が見える。
「本当に、ただ協力したいだけなのか」
「そうです」
晃仁は、ふたたび顔をあげて学の顔を見上げた。表情は真剣そのものだ。口元は引き締まり、丸くて人懐こそうな瞳にも力強い光が宿っている。その表情は、一瞬ではあるが、男である学から見ても可愛く見えた。危うく心を開きそうになる。しかし学はこらえ、最後にもうひとつ念を押した。
「ノートの行方は俺しか知らない。そしてその行方をこれからお前に教える。もし俺とお前以外の誰かにノートの行方が知れたら、お前が漏らしたことにするが、いいか」
「いいです」
真剣な表情のまま、晃仁は答えた。
「もし他人に漏れたら、その時こそ俺はお前を殴るぞ。いいな」
「もちろんです」
学は、晃仁の顔を睨みつける。
晃仁は表情を崩さない。瞬きもせずに、丸い目をきりりと見開いている。
「じゃあ、協力してもらおうかな」
と学は言った。正直、自分だけでは、もうどうしようもなかった。この後輩は、頭だけはよく回るようなので、力になってもらえるなら心強い。
「協力してくれるとありがたい」
と学は言い直した。いくら自分が先輩で力も強いとはいえ、頼みごとをするのに上からものを言う態度は間違っている。そう思ったからだ。
「ありがとうございます」
晃仁は元の笑顔を取り戻して、明るい声を出した。
「頼むよ」
晃仁の笑みに、学もつい弱音を吐いてしまう。
「まずは、どうしたらいい」
「まずは、よく行く場所にないかどうか思い出してみるのがいいと思います」
晃仁は即答した。さすがに協力を申し出るだけのことはある。しかし、晃仁が言ったことぐらいはすでに試しているのだ。
「それで見つかったら、苦労はしてねえよ」
思わず語尾が投げやりになる。
さらりとした茶髪の真ん中につむじがあって、それを中心に光の輪が見える。
「本当に、ただ協力したいだけなのか」
「そうです」
晃仁は、ふたたび顔をあげて学の顔を見上げた。表情は真剣そのものだ。口元は引き締まり、丸くて人懐こそうな瞳にも力強い光が宿っている。その表情は、一瞬ではあるが、男である学から見ても可愛く見えた。危うく心を開きそうになる。しかし学はこらえ、最後にもうひとつ念を押した。
「ノートの行方は俺しか知らない。そしてその行方をこれからお前に教える。もし俺とお前以外の誰かにノートの行方が知れたら、お前が漏らしたことにするが、いいか」
「いいです」
真剣な表情のまま、晃仁は答えた。
「もし他人に漏れたら、その時こそ俺はお前を殴るぞ。いいな」
「もちろんです」
学は、晃仁の顔を睨みつける。
晃仁は表情を崩さない。瞬きもせずに、丸い目をきりりと見開いている。
「じゃあ、協力してもらおうかな」
と学は言った。正直、自分だけでは、もうどうしようもなかった。この後輩は、頭だけはよく回るようなので、力になってもらえるなら心強い。
「協力してくれるとありがたい」
と学は言い直した。いくら自分が先輩で力も強いとはいえ、頼みごとをするのに上からものを言う態度は間違っている。そう思ったからだ。
「ありがとうございます」
晃仁は元の笑顔を取り戻して、明るい声を出した。
「頼むよ」
晃仁の笑みに、学もつい弱音を吐いてしまう。
「まずは、どうしたらいい」
「まずは、よく行く場所にないかどうか思い出してみるのがいいと思います」
晃仁は即答した。さすがに協力を申し出るだけのことはある。しかし、晃仁が言ったことぐらいはすでに試しているのだ。
「それで見つかったら、苦労はしてねえよ」
思わず語尾が投げやりになる。