悪魔の誘惑
第1章 水野香奈の秘密
そして、お互いが20歳を超えた頃、二人でラブホテルに入った。
水野は、内心とても興奮していたが、平静を装い、彼がシャワーを浴びに浴室に行っている間、ホテルに取り付けられたテレビでエッチな動画を何となく目で追っていた。
そこで見たのが、緊縛もの。
鮮やかな赤い縄に亀甲縛りされたAV女優が、複数の男達に好き勝手に身体を弄られ、電マでイカされるシーンだった。
「何見てんだよ(笑)」
無意識だったが水野はAVを食い入るように見ていた為、浴室から出てきた彼に気付くのが遅れてしまった。
パッと顔がトマトのように赤くなる。
「こんなハードなプレイしないから、安心しろよ。」
彼は水野の頭をポンポンと撫でて、リモコンのスイッチを切った。
でも別に縛られるのくらい平気だよ
むしろ、されたいのに。
そうポロっと本心を口に出来たらどれほどいいだろうか
けれど、水野には出来なかった。
不満を吐露する事が水野の性格上、出来なかったし、自身に襲いかかるであろう激しい羞恥に耐えきれそうになかった。
そして何よりも言ってしまえば、彼との築き上げてきた関係が壊れてしまうような気がした。
「ありがとう、健人。」
水野はニコリと笑い、その後は健人の優しい愛撫と挿入によって快楽へと落ちていった。