悪魔の誘惑
第2章 転校生
4月、新学期を迎えた伊吹私立高校の校庭は桜が見頃だった。
始業式には相応しい青空が覗いていて、水野の心をほんの少し明るくさせた。
水野が今回受け持つクラスは2年A組。
初めてのクラスだった。
始業式は、全体的にぎこちない緊張した空気が広がっているような気がした。
今年も生徒同士、そして教師と生徒とのより良い関係を作っていこう。
水野はギュッと拳を握りしめてその決意を固めていた。
始業式が終わり、職員室の自分のデスクから必要なものを取り出して準備を済ませていると、トントンと軽く職員室のドアを叩く音が聞こえた。
「失礼します。転校生の上条 潤です。」
そう言って転校生が入ってくると一瞬職員室の教師の視線が彼に集中した。
特に女性職員の視線が彼に集中していた。
黒髪に色白の肌、大きな二重の切れ長の瞳。
高い鼻、形の良い薄い唇。程よく筋肉のついた身体に高身長。
モデル雑誌にでも載ってそうな、美しい男子生徒の容姿に目を奪われないものはいないはずで、水野も思わず彼の容姿に釘付けになってしまった。
時間にして僅か2秒の間、職員室が静寂に包まれていたが、肉付きの良いベテランの女性教師の「水野先生のクラスの生徒じゃない?」という野太い声が静寂を切った。
「こちら、2年A組の水野香奈先生。」
そう言って上条に水野を紹介したベテラン女性教師の目には羨望と嫉妬がありありと映っていた。
だが、水野は見て見ぬふりをして、上条に改めて自己紹介をすると、上条もよろしくお願いしますと挨拶して礼儀正しく一礼した。
始業式には相応しい青空が覗いていて、水野の心をほんの少し明るくさせた。
水野が今回受け持つクラスは2年A組。
初めてのクラスだった。
始業式は、全体的にぎこちない緊張した空気が広がっているような気がした。
今年も生徒同士、そして教師と生徒とのより良い関係を作っていこう。
水野はギュッと拳を握りしめてその決意を固めていた。
始業式が終わり、職員室の自分のデスクから必要なものを取り出して準備を済ませていると、トントンと軽く職員室のドアを叩く音が聞こえた。
「失礼します。転校生の上条 潤です。」
そう言って転校生が入ってくると一瞬職員室の教師の視線が彼に集中した。
特に女性職員の視線が彼に集中していた。
黒髪に色白の肌、大きな二重の切れ長の瞳。
高い鼻、形の良い薄い唇。程よく筋肉のついた身体に高身長。
モデル雑誌にでも載ってそうな、美しい男子生徒の容姿に目を奪われないものはいないはずで、水野も思わず彼の容姿に釘付けになってしまった。
時間にして僅か2秒の間、職員室が静寂に包まれていたが、肉付きの良いベテランの女性教師の「水野先生のクラスの生徒じゃない?」という野太い声が静寂を切った。
「こちら、2年A組の水野香奈先生。」
そう言って上条に水野を紹介したベテラン女性教師の目には羨望と嫉妬がありありと映っていた。
だが、水野は見て見ぬふりをして、上条に改めて自己紹介をすると、上条もよろしくお願いしますと挨拶して礼儀正しく一礼した。