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林間学校

第5章 綾音と不思議な世界

一体、股間にテントなんて張りめぐらしてどんな夢を見ていやがるのだろうか。

ブー💨ブオォっ💨

挙げ句の果てには盛大に爆音を響かせて屁までこきやがった。コノヤローとテントを蹴り潰してやりたくなったが、翔太は臭くならないうちに出かけることにした。

眠っていても悪臭を感じるのだろうか、比呂志の隣に寝ているヤツが苦しみ始めたので少し笑えた。

翔太がこんなな早く起き出した理由はひとつ。オリエンテーリングの時に蜜を塗っておいた木にカブト虫やクワガタ虫を捕りにいくことだ。

小学校の林間学校の時には翔太と一緒にカブト虫やクワガタ虫を捕りに行く仲間もいたが、みんな口々に馬鹿馬鹿しいとか、そんなことのために早起きできるかとか、眠いとか言って誰も付き合わない。いつまでもガキだとも言われた。

確かにカブト虫やクワガタ虫に夢中になるのは子供みたいだ。オナニーを覚えたり、風呂を覗くような犯罪に手を染めてまでも女子の裸を見たかったり、大人の男にはなりつつあるが、子供の部分もちゃんと残っている。オナニーや女子への興味が大人になるということか。だったらずっと子供でいたいと翔太は思っていた。

昨日の雨で仕掛けた蜜が流されてしまわないかと心配にもなるが、意外と大丈夫なのはこれまでの経験が知っている。

「お、おはよう」

翔太が歩き出すと綾音が待っていた。なんだか顔を赤らめているが不機嫌そうでまだ怒っているようにも見える。

「お、おはよう。どうしたんだ?カブト虫なんか捕りに行くのはガキっぽいんじゃなかったのか?」

オリエンテーリングの時に木に蜜を仕掛ける翔太をバカにするように綾音が言っていたのを思い出してのあいさつとなった。

「よく考えたらこんな山まで来たんだし、こんなに大きくて珍しいカブト虫やクワガタが捕れるかも知れないじゃない。高く売れるかも知れないし・・だから付き合ってあげることにしたの」

綾音は手で大きなカブト虫やクワガタ虫のサイズを表現してみせた。

「そんな大きなヤツは外国にいるヤツだよ。いくらなんでも日本にはそんなのはいないよ。ヒラタクワガタやオオクワガタならもしかしたらいるかも知れないけど」

綾音が言っているのはヘラクレスオオカブトやコーカサスなどの外国にいる大物のことだろう。いくらなんでもそんなのはいない。

「ふ~ん、そうなんだ。」と綾音は無関心そうに言った。

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