
Nectar
第6章 後悔と進展
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ふと目を覚ますと、視界に入ってきたのは自分の部屋じゃなかった。
由奈「あっ、愛梨。気が付いた?」
見覚えのあるこの部屋は、たぶん私が働いている病院の一室。
いくらか身体が楽になっているのは、腕につながれている点滴のおかげだろう。
由奈「栄養不足に軽い脱水症状。こんなんじゃ風邪が治るはずないって私が先生に怒られたじゃない!」
少し怒ったようにそう言った由奈の話もほとんど頭に入っていなかった。
だって…
ここには蓮が居ない…
さっきのは…夢だったんだ。
愛梨「私…帰る…」
帰らなきゃ。
やっぱりあの部屋じゃなきゃ。
由奈「ちょっ、愛梨落ち着いて!今日は一晩泊まっていきなさいって言われてるの!」
点滴を抜こうとした私の手は由奈に押さえられた。
愛梨「やだぁ…帰るぅ…」
泣きながら駄々を捏ねるなんて、良い年してただの子供だ。
