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Nectar

第8章 理想と現実

ー蓮sideー

大和と陸兄がエントランスを出た瞬間、一瞬でファン達に囲まれてるのが見える。

ありがとうございます…

心の中でお礼を言って裏口を出た。

いつもよりずいぶん遠回りで真っ暗な道を走る…

無事に愛梨のマンションの裏口に到着して、周りを確認してから中に入った。

愛梨の部屋の前に着くと、急いで握りしめていた合鍵でドアを開けた。

蓮「愛梨?!」

驚く事に愛梨は玄関で苦しそうにうずくまっていた。

蓮「愛梨!大丈夫か?!」

愛梨「れん…苦しっ…」

蓮「落ち着いて!ちゃんと呼吸して…ゆっくり…」

愛梨を抱き締めて、呼吸が落ち着くように背中を摩った。

速い呼吸を繰り返す愛梨の手を握ると、真夏だというのに冷たかった。

血流が悪くなってる…

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