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Nectar

第11章 壊れていく

意外にも冷静にそんな事を考えてる自分がいた。

蓮「俺が用意した席に座って…これ持って…大和を応援するつもり?」

愛梨「ちがっ…」

蓮「何でだよ!お前は俺の女だろ?!」

大きな声を上げた蓮に驚いて何も言えなくなった。

蓮「いつまでこんなの飾ってんだよ!いつまで違う男追い掛けてんだよ!」

ビリッ…ガシャンッ…

お気に入りのポスターは綺麗に斜めに破れ、陳列されていた大和さんのグッズは床に飛び散った。

蓮「はぁ…」

興奮した様子の蓮の息遣いだけが聞こえる。

あ…!

愛梨「蓮!手…怪我してない?!」

もうすぐコンサートなのに蓮の綺麗な手に傷でも付いてたら…

咄嗟に駆け寄って蓮の手を取った。

蓮「…寝る」

振り払われた手…

それでも…

宿舎に帰らず、寝室に入っていった蓮に少しホッとした。

私が蓮をイライラさせてどうするんだ。

私が癒してあげなきゃいけないのに…

蓮の安心できる場所を作ってあげたいのに…

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