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Nectar

第11章 壊れていく

ー蓮sideー

イライラが収まる前に愛梨の家に来た。

むしろ愛梨に会えば落ち着くと思ってたのに…

愛梨の姿を見て呆れた。

俺の気持ちも知らないで…

そして目に入ったのは初めて見るうちわ。

何枚かあるうちわの中で1番目立つソレには綺麗に“大和”の文字が浮かんでいた。

気付けばカッコつけてこっちを見ている大和に手を掛けて、力任せに引っ張っていた。

案の定、“ビリッ”と言う音がして後ろの壁が現れた。

それだけでは飽き足らず、綺麗に並んでいる大和の写真やサインをなぎ倒す。

最後には俺を心配してくれた愛梨の手を振り払って寝室に逃げた。

電気もつけないままベッドに横になると少し冷静になる頭…

ふっ…(笑)

宿舎に帰らないでわざわざここで寝るって…

ただの構って欲しいガキじゃん。

一気に襲ってくる罪悪感…

完璧に八つ当たり。

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