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Nectar

第11章 壊れていく

愛梨、今頃泣いてるかな…

自分でこんな事をしたくせに心配でたまらなくなって起き上がった。

その瞬間に目に入ったのは隅っこにある俺のコーナー…

その中でも隠れながらこっちを覗いてるのは…

蓮「バカじゃん…(笑)」

“蓮”と大きく描かれたうちわ。

それをコッソリと元の位置に戻して部屋を出た。

蓮「愛梨…さっきはゴメン…」

小さく震える背中に声を掛けながら近付く。

愛梨「あっ、蓮。来ちゃダメだよ?危ないから…」

愛梨が泣いていない事に逆に驚いた。

そして振り向かない愛梨を覗き込んでもっと驚いた。

蓮「ちょっと!何してんだよ!」

愛梨の細い指先からは血が出ていた。

そっか…

さっき落とした時にフォトフレームが割れたんだ…

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