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Nectar

第11章 壊れていく

ー蓮sideー

愛梨「だから言ったのに。危ないから来ちゃダメって…」

そう言いながら血が出ている手で片付けを進める愛梨を見て…

“愛梨が壊れちゃったんじゃないか”って思った。

蓮「やめろって!手当しなきゃ…」

慌てて愛梨の手を掴んだけど…

愛梨「このぐらい大丈夫だよ(笑)それより蓮は先に寝てて。せっかく早く寝れるんだからいっぱい寝なきゃ!それともお風呂入る?」

笑いながら立ち上がった愛梨は普段は使っていない部屋に入っていった。

後を追うと大きなダンボールを持って出てきた愛梨。

愛梨「ん?お風呂?いつもの場所にタオルも着替えも入ってるから行っておいで?」

蓮「あっ…うん。」

バスルームに向かおうとしたけど、やっぱり愛梨が気になって振り向いた。

愛梨は…

大和グッズをさっきのダンボールに詰め始めていた。

泣きも怒りもせずに黙々とその作業をしている愛梨を見て、息ができない程胸が痛かった。

俺が望んだ事のはずなのに…

苦しくて堪らない。

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