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Nectar

第12章 胸の痛み



3時ぐらいに、仕事を早く上がらせてもらった由奈が来た。

愛梨「溜まってた有給を今日から1ヶ月で使って、そのまま辞めることになったから…」

そう報告すると、由奈は何も言わずに頷いた。

由奈「あそこ…片付ける?」

由奈が指差したのは大和さんコーナー。

自分では目を向けるのも辛いところだった。

由奈「私片付けとくから、ちょっと休んでおいで。酷い顔してる…」

そう言ってくれた由奈に甘えて、私は普段は使ってない両親の寝室で休むことにした。

ここなら見たくないものは何もない…



微かに残っている両親の匂いに安心したのか、気付けば1時間ほど眠っていた。

リビングに戻ると、由奈はもう全てを箱に詰め終わっていた。

由奈「寝室のも全部この中だから。」

蓮のも片付けてくれたんだ…

由奈「これ…どうする?」

愛梨「…捨てといて…」

声が震えてしまった私に悲しそうな顔を向けながらも、頷いてくれた。

片付けを終えると2人で夕食を食べ、ゆっくりとした時間を過ごす。

1度蓮からの着信があったけど出ずに、そのまま電源を切った。

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