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Nectar

第12章 胸の痛み

ー愛梨sideー

朝起きて携帯の電源を入れると蓮からの着信とメールが何件も確認でき、また電源を切った。

今日も仕事を休むと言った由奈を説得して送り出す。

駅まで送ってもらうと余計に別れが辛くなりそうだったから…

宅配便のお兄さんに荷物を取りにてもらって、昼過ぎには家を出た。

マンションの下でタクシーを待っていると…

「おい、お前…」

聞こえて来たのは、もしかすると1番聞きたくなかった声かもしれない。

愛梨「裕翔さん…」

裕翔「お前…うちのメンバー傷つけといて逃げんのか?」

裕翔さんは私の持っている少し大きめのボストンバッグを見た後、真っ直ぐに私の目を見てそう言った。

“逃げる”…

その言葉は今の私にはピッタリだった。

裕翔「一昨日。蓮のやつ、泣き叫びながら暴れようとしてて落ち着かせるの大変だった。どう言うことだよ!」

愛梨「裕翔さんの思ってる通りですよ。蓮のこと傷付けて逃げるんです(笑)」

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