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Nectar

第13章 守れなかったもの

ー千里sideー

コンコン。

ノックの音で目が覚めた。

千里「はぃ…」

もう朝かと思ったのに、時計を確認するとまだ5時過ぎ…

ゆっくりと開いたドアから顔を出したのは泣きそうな顔をした蓮だった。

千里「蓮…どうした?」



蓮「千里…」

コッチに近付きながらそう言った蓮。

一気に目が覚めた。

千里「お前、その声…」

どんなに喉の調子が悪くても、風邪を引いてても、こんなに細くて掠れた蓮の声は聞いた事がなかった。

蓮「千里…俺…声出なくなっちゃった…」

ベッドのすぐ前にしゃがみ込んでしまった蓮の肩を抱いてベッドに座らせた。

蓮…ごめん…」

千里「何で謝るんだよ。」

蓮「迷惑かけて…」

千里「迷惑なんて思ってないから。それよりあんまり喋るな。」

早く病院連れていかないと…

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