テキストサイズ

Nectar

第4章 意識

ー蓮sideー

きっと過去がどうであれ、愛梨は大和のファンになってた。

そして現在進行形で愛梨が大和を愛しているのも事実。

何か一気に悲しくなってきた…

蓮「俺が紹介して…もし大和が愛梨を好きになったら…付き合う?」

自分からそんな事を言ったくせに余計に悲しくなって、ワインを飲み干すと頭を抱えた。

しかし愛梨から返ってきたのは予想外の言葉だった。

「恋愛って面倒くさい」って…言った?

その後も続く愛梨の言葉を聞いていると、“面倒くさい”と言ったのは強がりとかじゃなくて本心だって分かったし…

何より、“恋愛”を拒否してるのが嫌というほど分かった。

大和のせいで俺を見てくれないだけならまだしも…

こんな風に恋愛自体を否定されたら、俺はどうしたら良いんだよ。

愛梨「でもさ、やっぱり良いなって思う時もあるよ?親友の由奈がすっごく幸せそうで、羨ましくなる時もある。幸せになりたいな~って…(笑)」

え…本当?!

愛梨「そう思うんだけど結局、いざとなると嫌になっちゃうんだよね。男の人と連絡取るのもデートするのも…やっぱり面倒くさいなって…」

それって…

俺の頑張りによっては変わってくる?

愛梨「あっは(笑)何言ってんだろ。ちょっとゴメン…」

愛梨は立ち上がって、タバコを手に取るとベランダに出て行った。

俺は、その小さな背中を追い掛けて…

抱き締めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ