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Nectar

第5章 愛おしい君

蓮「どういう事?!怪我したの?!!」

電話の向こうで慌てた末っ子の声と、ガタガタとうるさい音が聞こえる。

愛梨「末っ子なんて嫌い!嫌い嫌い嫌い!大っ嫌いー!!!」

蓮「ちょっと待って!ポスター剥がそうとしたの?危ないからやめろって言ったのに!」

愛梨「だって…」

またあんたの夢見ちゃうじゃん…

蓮「今から行くから待ってて!」

愛梨「は?!来なくて良い!」

返事はなく、ただ少し荒い息遣いが聞こえてきた。

ピンポーン…

蓮「はぁっ…お願いっ。開けて…」

電話口から聞こえてくる声と、モニターに写った本気で心配そうな表情を見ると、開けざるを得なかった。

部屋のチャイムが鳴って、鍵を開けると勢いよくドアが開いた。

蓮「はぁっ…はぁっ…」

走ってきたらしく、少し息が切れている。

別にそんな焦って来なくても良いのに…

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