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Nectar

第5章 愛おしい君

ー蓮sideー

電話に出た愛梨が急に「バカァァ!」と叫んだ後、怪我したみたいな事を言うから、すぐに部屋を飛び出した。

しかも走って来てみると、目にいっぱい涙を溜めて下唇を噛んでる。

蓮「何泣いてんだよ!」

たまらず抱き寄せた。

裸足の愛梨は俺より20センチほど背が低く、胸にスッポリと収まった。

愛梨「ちょっ、離して!」

離すと愛梨の目からは涙がポロポロと零れていて、少し屈んで目線を合わすようにしながらその涙を掬った。

蓮「怪我は?どこが痛いの?泣くほど痛い?」

俺の質問に少し驚いたように目を開き、何も答えない愛梨…

蓮「え…?痛くないの?」

愛梨「痛い…ココとココと…ココと…」

1つずつ痛い所を指差すけど、どれも小さな青アザ。

でもその姿が転んだ後の小さな子供みたいで…

たまらなく愛おしい。

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