
U15っぽいけど実際はR18
第2章 太陽
「ショータイムだ」
定位置についたダンサー。
インカムのマイクは最適な音量。
歓声が大きくなる。
活気に満ちた会場に
一発の銃声が響いた。
腰から力が抜け、膝をつく。
赤い液体が身体から漏れていた。
それが血液だと理解する。
「ちあきぃ、ごめんね。みは、みは、逆らえないんだよぉ」
銃口から煙がのぼる。
意味がわからない。
ネズミは幻想ではなかったのか。
私の作り出したキャラクター。
マネージャーにも見えていなかった。
誰に聞いても見えず、存在しないものだった。
でもこの血は本物だ。
つまり
「みは、嘘をついたんだぁ。沢山沢山、ちあきぃに嘘をついたんだぁ。ごめんね」
ネズミが指を鳴らす。
地面が揺れ、ステージの後方から足音が迫ってくる。
歓声はやまない。
まだこれがショーの一部だと思っている。
「みは命じるよぉ。ここに集まる数万の命、一匹残らず狩り尽くせぇ」
頭がぼんやりとしてきた。
武装した兵隊がステージに50ほど。
傷口を押さえる。
指の隙間をすり抜けて、赤は床に落ちていく。
「死ぬのか、これ」
「ちあきぃ、死は始まりだよ。全ての始まり。みはね、何度も何度も死んだんだ。ずーっと、ずーっと、死んだんだぁ。ちあきぃが死ぬのを待っていたんだ。でもちあきぃは強くなった。だから死ななくなった。仕方なぁい。仕方なぁいことなんだよ。死なない人間はねぇ、殺すしかないんだぁ。殺しみに身を任せるんだぁ。にししし」
「お前はホント、嘘笑いが下手だな。せっかく教えてあげた......のに」
「にしししし。ありがとうちあきぃ。みは、嘘つきだけど、嘘笑いはホントなんだぁ。結構気に入っているんだぁ。
おやすみ、ちあきぃ。次で待っているよぉ」
