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ビルの下でえんやこら

第2章 鏡

 ピーター・パンと名乗る外人と、そらジローが事務所を出る。

 サボさんは、日誌ノートに落とし物があったことを書き記そうとした。

 だが、そのバッジを見た時、その手が止まった。

「え……これは……」


 ピーター・パンとそらジローは、エレベーターに乗り込んだ。

「3階にあるんですね」とそらジローは、3階のボタンを押した。

 エレベーターは動き出す。

 2階の表示……そして、3階にエレベーターは止まり、扉が開いた。

「3階です」とそらジローは振り返る。







 ピーター・パンの姿は無かった。

「え……あれ?」

 つい、さっきまで、後ろにいたはず……。

「ピーターさん? あれ? ピーター・パンさん?」

 上下するだけの箱の中には、そらジローしかいなかった。

「……ええっ!?」

 1階から、たしかに、一緒に乗ってきた。先に乗ってもらい、自分の後ろにいたはず。

 3階までの数秒の間に、ピーター・パンの姿は消えた。

 エレベーターの中にあるのは、防犯カメラと鏡だ。

 鏡には、不穏な表情をするそらジローの姿が映っていた。

 だが、突然、その鏡に映るそらジローの背後に、女性の姿が映し出された。

「うわっ!?」

 振り返るが、そらジローの後ろには誰もいない。

「えっ……なんだ……なんだ、いまの……なんなんだよぉーっ!!」

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