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ビルの下でえんやこら

第4章 真相

 サボさんの手が、武の腕を掴んだ。

 そらジローが下から抱え上げた拍子に、武の腕が、肘まで鏡の中に吸い込まれた。

「ひ……ひぃっ!?」

 鏡の中に、自分と重なるように映るサボさんの姿に、武は、「なんのつもりだぁーーっ!! 俺を、俺を、俺を、どうする気だぁぁぁーーっ!!」と、今まで出したことのない裏声で叫んだ。

 そらジローは無我夢中で、武の足を持ち上げた。

 ほんの一瞬だった。

 麺がすすられるように、鏡の中に武が吸い込まれていった。

 抱えてた物が急になくなり、力尽きて横になるそらジロー。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……俺、ここのバイト……やめる……」



 鏡の裏側……


「な、な、なんだ!? どうなったんだぁ!?」

 理解出来ない事態に、冷静になれない武。

「その質問に正解はない」

 サボさんが、武の前に仁王立ちで言った。

「サボさん、なんで、あんたが……なにがどうなったか……はぁっ!?」

「昭玄さん、教えてください。このビルの本当の持ち主を」

「ひ……ひいっ!? な、なにが知りたい……」

「教えて頂けたら、ここから出る方法を教えますが……いかがですか?」

「いかがとか、なんとか、知らん。出してくれっ!!」

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