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ビルの下でえんやこら

第4章 真相

 サボさんは、眉をピクリと動かした。


「……そうか」

 一言呟くと、サボさんは、武の背中を強く押した。

「うわぁーっ!! やめろ!!」

「妻と息子の殺害に、少しでも関与したものは、許せねぇんだ。悪いが、お前もここで埋まってもらう」

「待て! 待て! 落ち着け! 俺を殺したって、あんたの家族は生き返らねえぞ!」

「だが、恨みは張らせる。殺害に関与した連中、お前が最後なんだ。嬉しいねぇ……まさか、自分のアルバイト先のビルがアジトで、雇い主がそのメンバーだったとはねぇ」

 サボさんは、武の肩を掴み、グイグイと押し続ける。

 耐えきれずに、壁に押し付けられる武。

 やがて、壁から十数本の半透明の腕が蛇のように伸びてくると、武の腕や足に絡み付く。

「うわぁーーーっ!! 勘弁してくれーーっ!!」

 壁から伸びる腕に引っ張られ、少しずつめり込んでくる。

「仲間が呼んでいるんだ。行ってやれ」

「絶対……呪ってやっからな……呪ってやっからなぁーーっ!!」

「その呪いは妻の貞子が食い止めてくれる。お前達から受けた仕打ちが、強い恨みの念となり、お前たちの悪行にも負けず、この地に沈めたんだ。残念なことは、このビルが妻と息子、そしてお前達の墓になっちまったことだ」

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