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え?元アイドルのお従兄ちゃんがわたしのクリフェラ係ですか!?

第9章 街での出来事

 服なども見て廻ったが、依里子の目的はえっちなおもちゃのお店だった。
 今わたしたちが居るのは、女の子たちでごった返すおしゃれなファッションビル。こうしたビルにはたいてい、女の子のためのおもちゃ屋さんも入居しているのだ。

「詩菜もなんか買ったらどう?」

 商品を見て廻りながら、依里子が言う。

「いいよ、わたしは」
「あらそう? じゃあ悪いけど、もう少し待っててね」
「うん」

 やがて依里子はふたつみっつのおもちゃを選び、会計を済ませた。依里子が行きたいアイスクリームショップに近いというので、わたしたちは裏口からビルを出る。
 そこに、この場に似つかわしくない不良っぽい男性二人が屯《たむろ》していた。

「おっ、ストゥプラ女子じゃんー。アンタら、何人のクリフェラ係もってんの?」
「なんですか、ぶしつけに!」

 声をかけてきた男に、依里子が抗議する。男たちの嘗め回すような視線が気持ち悪い。

「クリフェラなんて言ってるけどさぁ、ほんとはSEXしたくて堪らないんだろ?」
「俺たちが教えてやるよォ。クリフェラなんかよりずっとイイ、男の味をさ……!」

 そう言うと片方の男が依里子の腕を掴んだ。

「やめなさい……!」

 もう一人の男がわたしの背後に廻り、わたしの肩に腕を回してきた。

「いや……っ」
「ヤじゃねーだろ? アンタらのクリフェラ係より、俺たちのほうがずっと巧いぜ?」
「やめて、やめ……っ」

 男に両腕を拘束され、身動きがとれない。依里子も同様だった。

「いやっ離して……っ!」

 男たちは強引にわたしたちを引きずっていく。人通りの少ない裏口から出たのが災いして、助けてくれる人はいない。

「やめて……!」

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