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僕ら× 2nd.

第13章 ソーウ" キ プ 1 --Ar,Shu

もしかすると何か意味があるのかもしれない。

500,000,000ってことは。
五にイ立日心…ちんぷんかんぷんだ。
では、5×10の8乗…地名?、0.5G…時間?
8進数あたりが暗証番号とか?
どうにかすると、乱数放送周波数になるのか??

俺は五億をいろいろに変換させてみた。

俺が考え込んでいるのに、女はかまわず喋る。
不思議なことに女の表情からは、さっきまでの険しさは消えていた。

「アルって…。あなた、もしかして吉坂宗樹様のご子息?」

何を言われたところで、五億の謎を解こうと思っていたのに、

吉坂、宗樹ぅ?

聞き慣れな過ぎるけど、親父のフルネームを出され。

「……一応」

俺が認めると、笑顔まで見せた。

「そうでしたの。あなたがあの男色坊っちゃんでいらしたのね」

「は?」

今、聞き捨てならねぇ単語を聞いたよな?

「脅して悪かったですわ。楽になさい」

女がナイフを果物かごへ投げ捨てて、緊張が解かれた頃には、五億もどこかへ飛んでいっていた。

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