バルコニー交歓
第1章 バルコニー初見
彼女は、人妻に違いなかった。
バルコニーで洗濯物を干す女子は、ほとんどが主婦だ。
もちろんもしかすると、独身の娘かもしれない。
ただ僕は、知っていた。その家には独身の娘がいないことを。
家庭事情や家族関係というのは、はた目からはわかりにくい。
しかしその家の表札、住居表示は、家庭事情、家族関係を如実に示していた。表札に名字が2つ。二世帯同居家族であった。
おそらくは、親夫婦と、娘夫婦の同居だろう。
娘が嫁に行ったが、相手が次男か三男坊で住む家がなくやむなく同居というパターンは多い。有名な国民的アニメの家族も、そうだ。
彼女は、その家の一人娘で、夫と小さな子供2人の人妻であった。
僕は、気持ちを落ち着け、いまのは一瞬のガン見でいわゆるチラ見の部類だ、相手にそんなに性的な印象を与えていないはずだ、と自分に言い聞かせた。
実際はどうだかわからないが、そう考えることで自分の心を安定させようとした。
僕は怖々(こわごわ)、バルコニーに出た。
彼女の姿は、その家のバルコニーになかった。
僕はホッとし、洗濯物干し作業を再開した。
バルコニーで洗濯物を干す女子は、ほとんどが主婦だ。
もちろんもしかすると、独身の娘かもしれない。
ただ僕は、知っていた。その家には独身の娘がいないことを。
家庭事情や家族関係というのは、はた目からはわかりにくい。
しかしその家の表札、住居表示は、家庭事情、家族関係を如実に示していた。表札に名字が2つ。二世帯同居家族であった。
おそらくは、親夫婦と、娘夫婦の同居だろう。
娘が嫁に行ったが、相手が次男か三男坊で住む家がなくやむなく同居というパターンは多い。有名な国民的アニメの家族も、そうだ。
彼女は、その家の一人娘で、夫と小さな子供2人の人妻であった。
僕は、気持ちを落ち着け、いまのは一瞬のガン見でいわゆるチラ見の部類だ、相手にそんなに性的な印象を与えていないはずだ、と自分に言い聞かせた。
実際はどうだかわからないが、そう考えることで自分の心を安定させようとした。
僕は怖々(こわごわ)、バルコニーに出た。
彼女の姿は、その家のバルコニーになかった。
僕はホッとし、洗濯物干し作業を再開した。