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バルコニー交歓

第2章 停電逢瀬

秋といえば、台風である。
今年の秋も、台風が来た。すごい風で、屋根の一部が剥がれたり、停電した。

しかし、その停電が数時間で済まなかった。
幾日も幾日も停電が続いた。
避難所に行くほどではなかったが、給水車が来たり、市役所が食べ物を配ったりなどがあった。

そして、近所同士の助け合いもあった。
それは、停電直後から始まった。

「あの!」
家の前で、人の叫ぶような声がした。家の門扉の前に誰かいるようである。
停電し、インタホンが効かない。玄関のドアを開けると
「あの、いいですか」
と、女子の声が、した。
外に出ると、近所は真っ暗。夜に停電すると、こうなる。
懐中電灯で門扉を照らすと、ぽっちゃりとした人影があった。

「あ」
例の、バルコニー彼女だった。
彼女の顔を照らしていた懐中電灯が、一瞬、下に移動してしまった。
僕の手元が狂ったのだ。狂ったというか、狂わせたというか。
彼女のとんでもないバカでかい膨らみを一瞬ガン見して、僕は懐中電灯を元に戻した。まぶしくさせないよう加減しながら。

「あのう、懐中電灯の予備があれば、貸していただけませんか?近所いくつか回ったんですが、どこも予備がなくて」
「あ、いいですよ、予備あります」
僕は答えると、門扉を開錠し家の玄関の中に彼女を入れた。

懐中電灯を逆さまにして下駄箱の上に立て、天井を照らす間接照明にしたうえで、僕は家探しをした。
予備の懐中電灯はすぐに見つかった。
「奥さん、これ、どうぞ」
と僕は、懐中電灯3本と、乾電池を何個かを、彼女に渡した。
渡しながら、僕は、彼女の胸の膨らみをチラ見、いやチラ見を通り越してガン見していた。間接照明で薄暗いのを利用して、ガン見していた。
それはもう、素晴らしいの一言だ。

ふと彼女の胸元が、見えた。彼女は、外着でなく部屋着のまま出てきたのだろう、ラフな感じの服で胸元が大きく開いていた。
彼女の豊かな乳房の上半分が、もろに僕の視界に飛び込んできた。
眼福。
僕は、とても満足した。間近に彼女の柔肌を見れたのだ。これでしばらく、おかずに困らないな。

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