無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　弾力で保たれた胸の曲線は弾けるように揺れて、俺の指のひとつひとつの圧力を正しく柔らかさの中に沈めた。

　次第に密着させた肌はしっとりとして滑らかに、その表面は吸い着く様でもありながらも、こちらが求めればするりと何処かにいなくなるようにも感じた。

　適度に引き締まり健康的な肢体。俺の頬を擦る左手。背中に回された右手。細長い両脚は足先まで神経を通わせた如く、頻りと絡みついてくる。

　およそ見たことも感じたことすらない魅惑。しかし、それを以って違うというつもりなど、今の俺にはなかった。


　ああっ……！


　ふと真から洩れた声は、俺の肉体的な高鳴りを見つけたかのように。

　男であろうとする形状が、その熱と昂揚を彼女の腹部へと押しつけられた。

　今、俺は――女ではなくて、真を感じる。真を感じていたい。

　真と交わりたいのだと、それを望みながら。そう、真だけなのだと――思う。

　だから、彼女のなにかがどうあろうが、俺はそのひとつひとつに――正しく、興奮を覚えた。

　次から次に、それは止もうとはせずに。自分でも怖く、息苦しい程に――。

　なんらかの愛だと言ってしまえたら、おそらくずっと気楽になれる。だがそれは無粋に尽きるのだと否定するから、俺は生真面目に頭の片隅を痛めているのだ。

　そんな己が愚かしいのは言うまでもないが、それが自分なのだと思うことは悪くはないのだと、根拠はなくともそう思えている。