ほんとのうた(仮題)
第8章 身体を求め、精神(こころ)を探して
「あ、ああ……俺はそんな真が、いい」
俺は胸が締めつけられたままに、頷き。
「じゃあ、オジサンも――在るがままに」
「真……」
「オジサンを、受け止めたい――ううん、私が――今ある全部、受け止めてみせるから」
そう言った時の俺の知る真の笑顔が、何処までも眩しく思えていた。
俺の中の詰まらない想いは、それで一気に振り払われていたのだろう。
「ふふ……まだ、熱くなるの」
真は次に妖艶な囁きと手つきで、俺の硬直を誘っていった。
「く……」
不意に小さく、声を漏らす。
硬く頭を上へと伸ばし切った裏側を、今度は下方より掬い上げるようにして、真の指先が奔り抜けた。
その復帰を満足げに見つめ、真は再度それをしかっりと握り、そうして――
「さ、もう――来て」
折り畳み閉じた両膝を俄かに開き、真がその突端を自身の入口へと押し当てた。
く……ちゅ。
硬く反り立つようなものに反するように。優しき体温に満ちたそこは、滑らかなまでに柔らかく。
俺を呑み込もうと、していた。
だが、そうなれば――
「ま……待て!」
俺は再び、止まらざるを得ない。それは先程までの想いとは違って、単純明快な理由による。
「今――着けるから」
俺は焦って、すぐにその言葉を続けた。避妊をおろそかにするほど、自分を見失ってはいない。
しかし、真は――
「いいよ。そんなの、いらない」
事も無げにそう告げると、俺の方に向けて腰をぐっと突き出していた。