ほんとのうた(仮題)
第8章 身体を求め、精神(こころ)を探して
恐らくその理由は、そんなにも難解ではあるまい。しかし、それ故にそれを打破するのは、決して簡単ではないのだ。そう、察する。
彼女を中心に、取り巻く環境。俺の知る由もない芸能という世界。心酔し取り巻く数多くのファンは味方であると同時に、時として巨大なプレッシャーとなり苛むことも。その最中で若い真が抱えたジレンマは、俺の貧弱な想像を遥かに超えよう。
それでも――だからこそ。限られている故に、それは明快であるようにも思える。
こんな俺にもできることは、確実にある。
真と身体を重ね、俺はそんなことに気がついていた。
至って普通に――なにを普通なのかは言及しないのだが――ともかく、俺は真を抱いている。
突く、というよりも――引き去ることを意識した腰の律動。
それで幾度となく擦らせ、互いに帯びゆく熱量を、育む。
俺の首に両腕をかけ、真は切なげな顔に変わった。
「オジサン……わ、私……」
「ああ、いいよ……」
頷く――と。
それまで貯め込んだものを、一気に解き放つように――。
「あ、くぅ――――あぁ……ふっ……ああっ、ああぁあ……」
大きく反らせたしなやかな肢体を、ビクンビクンと震わせながら――真は果てた。
そうして、俺も――
熱さが解け行く脈打った、余韻の奥底で――
「くっ……!」
己の猛りの全てを、そこに弾けさせた。
互いの呼吸と鼓動を乱し合い――それは、何処までも激しくて。