ほんとのうた(仮題)
第8章 身体を求め、精神(こころ)を探して
※ ※
その、どれくらいか後。俺と真はベッドで脱力した身を寄せ合い、二人で天井を見つめていた。
こんな時間は、どこか気恥ずかしく。男にとって――否、少なくとも俺にとっては、そうだった。
独りになりたい――と、よく男が口にしそうな感覚とは違う。一定の安らぎを覚えながらも、相手の気持ちがそれと等しいとは限らないから。
それを確かめたくも思うが、もし口を開けば言葉が誤魔化しに彩られそうで……。
そんな俺の横顔を仰ぐように見て、真が囁きかけるように言った。
「やっちまった……という、後悔の気持ち?」
「違う、違う」
「二回言う辺りが、そこはかとなく怪しいんだよなぁ……」
「そ、そんなつもりはねーデスよ?」
「ああっ、なんかどもった上に変な敬語まで使ってるぅ。コレ絶対、図星だよ!」
「うるせー!」
「あはは、怒られちゃった」
あっけらかんと笑う顔が、つい先刻までの艶やかな真とは違い過ぎて、俺は戸惑った。否、単に照れ臭かったのかもしれない。